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2015年09月01日

アジアクロスカントリーラリー2015、宮崎大吾がIRCで2年連続完走

posted by IRC TIRE MCJ staff at 18:39 | レースレポート
昨年に続き、アジアクロスカントリーラリーに参戦した宮崎大吾さんからレポートが届きましたので、下記に紹介させていただきます。

日時:8月8日〜14日
会場:タイ北部チェンマイ〜メーソット〜スコータイ〜プレ
天候:曇り•晴れ
コンディション:ウェット、マディ、サンド、ドライ

TEXT:宮崎大吾(フリーランスエディター)


8月8日にタイの古都チェンマイをスタートし、タイ北部約2500kmを駆け巡り、14日に再びチェンマイに戻ってくるFIM公認ラリー『アジアクロスカントリーラリー2015』に参戦してきました。

このラリーに参戦するのは2度目で、昨年はタイ•カンボジアを舞台とした大会に、ハスクバーナFE501(2014年型)で参戦し、初ラリー参戦ながら、頼れるモーターサイクルとIRCタイヤのおかげで、8位(13台中)完走を果たすことができました。

今年はハスクバーナFE450(2015年型)で、装着したタイヤは昨年同様IRCの『ix-07S(フロント)』と『BR-99(リア)』のセットで、無事19位(40台出走完走36台)でフィニッシュすることができました。

このラリーの特徴は、タイを中心とした東南アジア特有の田園、山岳路、集落などを走破する本格的なラリー競技である一方で、毎晩グレードの高いホテルに宿泊することができるため、整備や食事、睡眠などのケアが充実していることです。また、タイの物価が安いため、美味しい食事や本格的なタイマッサージなどを、コストを抑えながら楽しむことができます。参戦費用も抑えられているので、ラリー初心者でも十分楽しめる大会ともいえます。

ラリーを簡単に説明すると、主催者から渡されたマップ(コマ図)とトリップメーターを照らし合わせながらゴールを目指すもので、ライダーはマップホルダーとトリップメーターを操作しながらライディングに集中します。四輪はドライバーと、ロードブック(マップがブック形式となっています)を読み上げるコドライバーがいるため、役割が分担されていますが、ライダーはそれらをすべて自分でやらなければいけません。整備も基本的には自分でおこないますし、走行中はハイドレーションパックの水分補給くらいしかできません。そんな二輪の冒険性、醍醐味に刺激を受けて、四輪ドライバーから二輪に転向して挑戦するライダーも、このラリーでは増えてきています。

ラリーでは移動区間を「リエゾン」、タイム測定区間を「SS」と呼びます。オンタイムエンデューロでいう「ルート」「テスト」と同じ関係性です。そして、それぞれのスタート、ゴールまでの時間制限「ターゲットタイム」が設けられています。

ラリーの一日の模様を簡単に説明します。

起床•朝食(たいてい4時半から5時くらいに起床)→
第一ライダースタート(前日のSSタイム順に一台ずつスタート。6:30頃から)→
SSスタート地点までリエゾンを走行→
SS1スタート〜フィニッシュ→
サービスエリアで休息•燃料補充など→
SS2スタート〜フィニッシュ→
ホテルまでのリエゾンを走行→
ホテルに夕方到着し、洗車•整備→
夕食•HQ(ヘッドクオーター)から翌日のマップを受け取る→
マップチェック•注意事項書き込み→マップ取り付け→
その後私はラリーレポート執筆→0:00頃就寝

このように、一日中ラリーのことしかやっていません(笑)。
とても贅沢な競技なのです。

それぞれに要する最長時間制限(ターゲットタイム)が定められていて、遅れた場合はタイムペナルティが課せられます。またガソリン補給をリエゾンの途中自分で購入するかサービス隊に入れてもらうか、また整備用工具を携帯するかサポートカーに預けるかなど、個々のスタイルで決めることができます。


元々AUTO(四輪)専用の大会でしたが、2012年に池町佳生選手らの要望に応える形でMOTO(二輪)部門が発足。その初代優勝者は池町選手、2013年はスウェーデンはOlle Ohlsson選手が優勝。そして昨年は5D代表の前田啓介選手が優勝を獲得しました。

本年度は一気にエントリー数40台と増えて、前述の歴代優勝者全員を含め、タイや韓国、スウェーデン、インドネシアなど各国からラリーストが集結しました。日本からも15人が参戦するなど、ここ数年での注目度の向上を証明しています。

さて、私のタイヤ選択は昨年の経験を踏まえたものでしたが、今年は前半のコースが赤土の滑りやすい山岳路と聞いていたので、上れないような坂に直面した場合のことを考えて、最初の2日間は後輪のみチューブを選択しました。実際には、四輪も走るラリーなので、エンデューロの難所のようなセクションはなく、空気を抜かなくてはいけない場面はありませんでした。

そんな赤土ですが、たとえていうと広島のテージャスランチのような感じです。それが10km以上続く道のりが、SS中に2、3回出現するといった具合です。BR-99のメリットは軟質路面でのグリップの良さだと思いますが、この軟質路面でも効果を発揮してくれました。全ライダーを手こずらして、スリップダウンが相次いだ難コースで、私も1-2度転倒してしまいましたが、無事クリアすることができました。

初日、2日目の赤土系コースを終えて、ホテルで陽があるうちに後輪を交換する予定でした…が、ここで問題発生。日本人ライダーの荷物一式を積んだトラックがエンジントラブルで大幅に到着が遅れました。そのため、着替えもなく、しっかり休息できないまま夜明け前に交換することになりました。前日のリエゾンが長く、想像以上に後輪の減りが早かったですが、予定どおり後輪のみ交換。中身を新品ムースに換えます。

3日目はナビゲーション勝負のステージで、乾いたサンド系路面のジャングルの中を細かい分岐を縫うように進みます。この日のナビゲーションの難しさはベテランライダーやドライバーも惑わすほどのもので、私も相当悩みました。寝不足もあって、苦しいステージでしたが、他国のライダーたちと共同で探し当てて、なんとかフィニッシュ。ラリーは国籍を超えて、片言の言葉しか話し合えなくても、心を1つにして目標に迎えるすばらしい競技です。もちろん新品のBR-99は十分なトラクションを得ることができて、道さえ迷わなければ、最高のフィールドでした! その日の夜にフロントタイヤを新品に交換。

4日目は路面も打って変わって、少し湿った日本の林道に近いイメージ。途中に想定外の深い川が出現し、多くのライダーと右往左往していたところ、地元の人が教えてくれた迂回路を使って無事ゴール。この日は予定どおりBR-99を新品に交換しました。

5日目は安全上の問題からSSが短縮されましたが、元々ループコースだったので、主催者はなかなか走り応えのあるシチュエーションを用意していました。腰下まである川を渡るなど、わずか90km弱ながら変化に富んだ面白いコースでした。

そして、ついに迎えた最終日。最終SSは45kmほどの短いもので、この日はややプッシュしながら走ることができて、楽しく最後のSSを終えることができました。
スタート地点のチェンマイに戻る頃には、各国のライダーがすっかり意気投合し感動のフィニッシュを迎えることができました。

BR-99に関しては、夕張2デイズエンデューロや日高2デイズエンデューロ、昨年のアジアクロスカントリーラリーで、あらゆる路面を走ってきて、そのトラクション性をとても信頼しています。コンパウンドが柔らかめだから軟質系路面に強いのが魅力ですが、ハードパック、高速林道、ベストコンディションの土でも、とにかくよく噛んでくれます。減りが早いのも確かですが、減った状態でのトラクションのかかりかたが分かりやすいので、見た目以上の安心感もあります。私自身の反省点としては、後輪のスペアを2本ほど増やして、長いSSの前日には確実に新品に換えておくべきだったということです。しかし結果的にかなり減った状態で、不安なく走ることができたことを加えさせていただきます。

ix-07Sは私にとっては不動のフロントタイヤです。JNCCにフル参戦し始めた4年ほど前から、このタイヤ一択です。しっかり路面に突き刺さり、素直に進行方向に進むことができるタイヤです。特にSS2の前後輪とも常に滑りっ放しの赤土路面でも、終止フロントが安定していたことに助けられました。リアが滑るのはある程度コントロールできますが、フロントが滑りすぎていては、前に進むことさえおぼつかないものですから!

普段はエンデューロ、クロスカントリーを中心にIRCタイヤを装着してレース参戦している私ですが、年に一回のこのラリーでもIRCは手放せないアイテムとなっています。 


宮崎大吾
Team HUSQVARNA NIPPON
HUSQVARNA FE450
前:ix-07S 後:BR-99

総合順位19位(トータルタイム21時間42秒)/全40台参戦 完走36台




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写真/高橋学

アジアクロスカントリーラリー2年連続完走を果たした宮崎大吾(TEAM HUSQVARNA NIPPON)

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昨年に続きリアタイヤにはBR-99を装着。あらゆる路面での走破性の高さは、未知のエリアを走るうえで安心感を生んでくれる

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フロントタイヤはix-07S。エンデューロ、クロスカントリーでも愛用する逸品だ

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LEG1、LEG2(2日間)を走り終えたBR-99。ブロックが減った状態でもトラクションしてくれるのが嬉しい

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写真/高橋学

チェンマイ市街地に用意されたセレモニアルフィニッシュにて、メダルを授与。2500kmを走破した喜びと安堵感は大きい!