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2019年03月25日

G-NET2019開幕戦、ギリギリまでタイヤの選択に悩むハードコースを王者高橋が制した

posted by IRC TIRE MCJ staff at 22:47 | レースレポート
G-NET全日本ハードエンデューロ選手権 第1戦 CGCひなまつりエンデューロ
日時:2019年3月3日
会場:奈良県奈良トライアルマウンテン
天候:雨のち曇り
コンディション:ややマディ
PHOTO&TEXT:ANIMALHOUSE

昨年の最終戦、ギリギリまで競ったチャンピオン争いの末、高橋博が5連覇を成し遂げたG-NET全日本ハードエンデューロ選手権。今年は最終戦HINO HARD ENDUROを2デイズとし、全6戦中5戦の有効ポイント制で争われる。

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大きな岩が無数に置かれたガレセクションやフカフカのヒルクライム、ラインを誤ると抜け出せなくなる沼、さらに急斜度のヒルクライムなど、実に多彩なコース設定となった奈良トライアルマウンテンで、2019シーズンは開幕となった。

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iRCタイヤはこの大会の直前にiX-09w GEKKOTAのリア16インチを新たにリリース。会場での販売・装着サービスも行い、ミニバイククラスやおひなさま(レディース)クラスではさっそく装着するライダーがいた。また、開発ライダーである和泉拓はBETAのX-Trainerに16インチタイヤを装着した通称「ミニトレ」を駆り、ミニバイククラスとG-NETクラスに参戦した。

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和泉はミニバイククラスを余裕の優勝、さらにG-NETクラスでも2周目の後半までコマを進め15位。iX-09w GEKKOTA 16インチの性能を証明すると共に、足つきに悩むライダーたちに新しい可能性を示してみせた。

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チャンピオン高橋博は多くの観客が見守るロックセクションでラインを誤り、スタートから出遅れてしまった。奈良トラのコースは大きく前後半に分けることができ、ちょうど中盤にパドック前のガレ場に戻ってくる構成になっていた。高橋はこの前半で大きく巻き返し、2位で前半を終えると後半をトップで戻ってきた。

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その後もトップを譲ることなく3周を回り、開幕戦優勝を手にした。

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泉谷之則は今シーズンからマシンをGASGAS EC300に乗り換えた。レースはヤチでハマってしまってタイムをロスしながらも2周したところで残り15分となり、そこでレースを終えた。順位は11位、表彰台にあと一つ、届かなかった。

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新しいマシンについて泉谷は「車体がとてもスリムなのと、エンジンが上までよく回ってくれるのが気に入っています。また、KYBのサスペンションがとてもよく動いてくれて乗っていて気持ちいいんです。重心が低いのか、マシンがとても軽く感じます」と語った。

和泉拓
BETA X-Trainer300
TeamBetaストレンジIRC
前:iX-09w (空気圧0.7kgf/㎠)
後:iX-09w GEKKOTA 16インチ(空気圧0.6kgf/㎠)
「今回は16インチのiX-09w GEKKOTAが発売したので、フルサイズのX-Trainerに16インチホイールを履かせて使用してみました。とにかくマシンが軽くて全部で約5kgも軽量化できたことがメリットでしたね。また、轍が深いから立てないけど急斜度のヒルクライムでフロントが浮いてこないから座ったままでもすごく登ります。後半の難所「練馬ヒル」も相当上まで行けました。もっとデメリットが多いかと思ったのですが、そうでもなくて足つき性の良さや軽さなどメリットの方が大きかったように感じました」

高橋博
BETA RR2T300
チームベータIRCエンジョイズ
iX-07s(空気圧0.6kgf/㎠)
VE-33s GEKKOTA(空気圧0.4kgf/㎠)
「最初のガレでラインを間違えてしまって、苦労しました。そのあとすぐにセローヒルかヤチあたりでトップに立ったのですが、一回水上泰佑選手に抜かれてしまって、大仏ロックのところでもう一回抜き返しましたね。終盤には山本礼人選手もすぐ後ろまで迫ってきて、楽しい勝負ができました。かなり走りごたえがあって面白いコースでしたが、やっぱりパドック前のロックセクションが一番しんどかったですね。タイヤはギリギリまで悩みましたが、結局VE-33s GEKKOTAにしました。決め手はやっぱり土でよくグリップするからですね。ガレよりもヒルクライムに焦点を当てました。石は絶対にiX-09w GEKKOTAの方が良いので、本当に悩みましたね。前半でしっかりリードを作って逃げ切れたので、結果オーライです」

泉谷之則
GASGAS EC300
GASGAS IRC シルバラード
iX-07s(空気圧0.6kgf/㎠)
iX-09w GEKKOTA(空気圧0.4kgf/㎠)
「今回は沢やガレが多いコースでしたので、VE-33s GEKKOTAよりもiX-09w GEKKOTAが向いていると思い、選択しました。ヒルクライムはブロックの角があればグリップするかな、と。iX-09w GEKKOTAのおかげで最初の沢で他のタイヤを選んだライダーに対してアドバンテージを築くことができました。1月末くらいに今年のマシンが納車されて、それから今日のレースに向けて乗り込んできました。スプロケットの丁数だけでは測れない違いが色々あって、今回はセッティングを完璧に煮詰めることができませんでしたが、今後乗り込みながらどんどんマシンを作り込んでいこうと思います」

2018年12月27日

MCオフロードイベントを2019年2月に開催します!

posted by IRC TIRE MCJ staff at 13:52 | レースレポート
日ごろIRC TIREを支えてくださっているファンの皆様に感謝をこめて!
MCオフロードイベントを『いなべモータースポーツランド』で開催します。
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詳細はこちらをご参照ください!
http://www.irc-tire.com/ja/mc/products/event2019/

エントリー日時やリンク先、スケジュールなど詳細が決まりましたら随時、更新をしてまいります。
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2018年12月14日

JEC最終戦SUGOで前橋孝洋が最年少チャンピオンを獲得

posted by IRC TIRE MCJ staff at 20:42 | レースレポート
JEC全日本エンデューロ選手権 第4戦 SUGO2DAYSエンデューロ
日時:2018年11月24、25日
会場:宮城県スポーツランドSUGO
天候:晴れ
コンディション;ドライ
PHOTO&TEXT:アニマルハウス

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全日本モトクロスやJNCCのシーズンが終わってから開催される、このSUGO2DAYSエンデューロには、しばしば他のレースから有力ライダーのスポット参戦がある。今回も全日本モトクロスからIAの横澤拓夢、そしてJNCCからは今年のチャンピオン渡辺学が参戦し、大会を盛り上げてくれた。

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第3戦日高2DAYSエンデューロが終わった時点で、前橋孝洋は2位の鈴木健二に7ポイント差をつけランキング1位に立っていた。昨年ランキング1位の釘村忠は日高の2ラウンドを欠席しているため、ポイントは大きく離れている状況。

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前橋はDAY1最初のエンデューロテストで4番時計を出すが、次のエクストリームテストで13番。その後は5〜8番手で安定した成績を出していった。一方7ポイント差で前橋を追う鈴木健二は2〜3番のテストもあれば6〜9番のテストもあり、全体的にバラツキが目立つ。前橋はDAY1を7位で終え、鈴木との差は6ポイントに縮まったものの、勝負はDAY2へ持ち越し。

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DAY2の朝は寒さからDAY1とのコンディションの違いに悩まされたライダーが多かった。前橋は大きなミスなくDAY2を6位でまとめ、チャンピオンの行方はファイナルクロスに。モトクロスIAがひしめく中、前橋はファイナルクロスを7位でクリア。わずか3ポイント差で逃げ切り、史上最年少で全日本エンデューロIAチャンピオンに輝いた。

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また、それに続いたのは熊本悠太だった。ハードエンデューロでも結果を出してきている熊本はエクストリームテストで6番時計を出し、大きく順位をあげるものの、エンデューロテストやクロステストで苦戦し、DAY1を9位で折り返す。DAY2、全体的に調子をあげ、エクストリームテスト3ではついに5番時計もマーク。他のテストの成績もあげてきて8位、総合でも8位に入った。

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IAルーキーの新沼光も健闘した。地元SUGOでのレースということもあったか、DAY1はほとんどのテストを10〜14番で走りきり、DAY2のクロステストでは3回の8番時計をマーク。ファイナルクロスでも9位に入り、総合10位という好成績を残した。ランキングは日高2ラウンドを欠席したこともあり、17位となった。

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そして来年IAクラスを面白くしてくれそうなのがIBの飯塚翼だ。今年は保坂修一、齋藤祐太朗と三つ巴のIBチャンピオン争いを展開。2016年まで現役でモトクロスIBを走っていたライダーとして、ファイナルクロスのあるこのSUGOでは大きなアドバンテージを持っている。

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DAY1、エクストリームテスト、クロステストで2回の1番時計を記録し、2位でDAY2へ。DAY2は3回の1番時計を記録。ライバルの保坂がクロステストで大きなミスをしたこともあったが、ファイナルクロスなしでも1位のタイムでDAY2を終え、総合優勝を手にした。これでIBクラス年間ランキングは3位。来年はIAへの昇格が決まった。

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ウィメンズクラスには菅原聖子が参戦。DAY1のエクストリームテストで1番時計を記録したが、ライバルに阻まれDAY1は3位。しかし、DAY2では気持ちを切り替え、すべてのテストを1〜2番時計でクリアし、優勝。年間ランキング2位でシーズンを終えた。

前橋孝洋
モトクラブオープンエリア
KTM 250EXC-F
前:iX-07s(ムース)
後:BR-99(ムース)
「前日に雨が降ったものの大きな影響は無く、2日間共にコースコンディションはドライ。iX-07sとBR-99に合ったコンディションで、安心してテストを攻めることができました。
2日目の朝一など、磨かれてツルツルで硬く、慎重になる状況もありましたが、危ない場面もクラッシュもありませんでした。ルート内の沢や泥々のガレ場でもマシンコントロールがしやすく、シビアな操作を求められることなく走破できました。
今シーズンはずっとこのタイヤの組み合わせて走っていましたが、ネガティブに感じることはなく、どのコンディションでも安心してシーズンを通して戦い抜くことができました。ありがとうございました!」

熊本悠太
Team Beta バイカーズベア
BETA RR2T300
前:iX-07s(ムース/約0.8kgf)
後:BR-99(ムース/約0.8kgf)
「今回は前後新品ムースだった為、リヤは140タイヤに120ムースを入れることで気圧を落とす作戦を取りました。ルート、テストともほとんどの路面で滑る心配がなく安定してグリップしてくれるので落ち着いて攻めることができました。エクストリームテストでは短い加速からのタイトターンの連続でしたが、ここで特にコントロールを助けてもらえ、5番時計までとれました。
フロントがしっかり刺さってリヤが蹴り出してくれる最高の組み合わせだと思います。今回の出場メンバーでは上位に食い込むのが難しかったですが、部分的には勝負出来る要素もあり、楽しんでレースが出来たことが良かったと思います」

新沼光
Team Beta ストレンジ IRC
BETA RR2T250
前:iX-07s(ムース/約0.7kgf)
後:BR-99/140サイズ(ムース/約0.6kgf)
「各テストが硬質路面でしたので、フロントタイヤはiX-09wと迷いましたが、根っこや石が所々に埋まっていたためiX-07sを使用しました。根っこでフロントが逃げたり、石で弾かれたりすることもありませんでした。ただ、もう少し石や根っこが少なくなかったらiX-09wを使用していたと思います。07sと09wはこういった微妙な使い分けをできるので両方とも好きです。
リアのBR-99は他メーカーのFIM公認タイヤと比べてタイヤが分厚いので、リム打ちによるパンクのリスクは低いのですが、安全策としてムースを使用しました。路面が硬質だったため、ブロックで引っ掻き回すというよりもグリップさせることを意識して走りました。BR-99はブロックが低い代わりに面が大きいので、摩擦力も使って走れる感覚があります。そのため、特にクロステストでは楽しく走ることができました。また、面が大きい分、アスファルト移動も振動が少なくて楽でした。公道でも安心のタイヤです。
前後タイヤとも全域でグリップしてくれたおかげで、今期最高順位につけることができました。このセットはどこに行っても使えるベストな組み合わせだと思います」

飯塚翼
オレンジカウンティ幕張 with 成田MXパーク
KTM 250EXC-F
前:ix-09s(ムース)
後:BR-99/120サイズ(ムース)
「日高では初めてリアに140サイズを使ってみましたが、120サイズの方が相性が良いと感じたので、今回は120サイズでレースに挑みました。事前に用意しておいたムースが硬く、これでは走れないと判断し、貸していただいたムースでDAY1をスタートしたのですが、これが逆に柔らかすぎてリアがブレてしまい、2周目を終えたところでパドックに戻ってきた際にムース交換を行いました。ムースは滑川選手から貸していただいた柔らかい140のムースを120のタイヤに入れて走り、2日間とも良い状態で走りきることができました。タイヤは滑りそうな落ち葉のあったテストや、夜露で湿った路面でもスリップすることなくとても安心して走れました。
ファイナルクロスのスタートでも、出だしからかなりのグリップをしていて、ホールショットをとり、そのままトップでゴールすることができました。今回は目標であったクラス優勝ができたので良かったです」

菅原聖子
Flagship Racing
YAMAHA YZ250FX
前:iX-07s(空気圧0.8kgf/㎠)
後:BR-99(空気圧0.5kgf/㎠)
「DAY1でたくさん転倒してしまい沈んでましたが、練習してきたタイヤ交換を無事に終えられた事で、DAY2に向けての気持ちを切り替えるキッカケになったと思います。今回はビートストッパーを2個入れてましたが、時間には余裕がありました。
昔はホイールをタイヤから外すのにとても苦労していたのですが、IRCのタイヤはとてもタイヤ交換がやり易いです。雨上がりでやや湿ったエンデューロテストでも一発目から攻めて走ることができ、ルートの中の沢や根っこが出てきてた登りも全く問題無く、山遊び感覚で余裕を持って走ってました。自分の期待どおりのグリップ力で、タイヤに対する不安を持たずにDAY2は攻め切れたと思います。来期はムースで走れるようにするのが課題です」

緻密な空気圧のテストを繰り返し、最高のグリップを発揮。高橋博がG-NET5連覇を達成!

posted by IRC TIRE MCJ staff at 18:20 | レースレポート
G-NET全日本ハードエンデューロ選手権 最終戦 HINO HARD ENDURO
日時:2018年11月18日
会場:群馬県日野カントリーオフロード
天候:晴れ
コンディション:ドライ
PHOTO&TEXT:ANIMALHOUSE

G-NET全日本ハードエンデューロ選手権は、日本各地のハードエンデューロレースを繋いで全日本選手権の形式をとっており、日本唯一の全国シリーズ戦だ。世界では今年からWESS(World Enduro Super Series)がスタート。エルズベルグロデオやルーマニアクスなどを繋ぎ、かつクロスカントリーやオンタイムなどのレースも取り入れて、上位のライダーにポイントを付与し、年間チャンピオンを決めるという形式を取っている。

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今年のG-NETはCGC斑尾ハードエンデューロ(長野)、サバイバル in 広島(広島)、Mt.モンキースクランブル(福島)ときて、いよいよ最終戦HINO HARD ENDURO(群馬)を迎えた。舞台となる日野カントリーオフロードはG-NET代表を務める栗田武氏自らが有志の協力の元コースレイアウトを作成し、「今年一番難しいコースを」と新たなセクションをいくつも完成させ、参加者を出迎えた。

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このコースに挑戦したくて集まったライダーは日本国内に止まらなかった。中国・台湾から杜中豪、林利庭、田红旗という3名のハードエンデューロライダーが参戦、iRCのVE-33s GEKKOTAを使ってレースに挑んだ。

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昨年まで4年連続G-NETの年間チャンピオンを獲得している高橋博は、ここまでランキングトップを維持してはいるが、1〜3戦すべてで優勝を逃してしまっている。わずか2ポイント差まで若手の山本礼人が迫っている状況で最終戦を迎えた。

すべてに万全を期し、優勝でチャンピオンを決めたい高橋だったが、不運にもレース会場に向かう道中でトランポが故障してしまう。それでも友人の助けでトラブルを乗り越えて金曜の夜中には会場入りし、いつも通り入念な下見を行った。土曜日の下見は8時間にも及んだという。

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高橋を襲った不運はそれだけに止まらなかった。1周目、最初のセクション「竹やぶゾーン」とそれに続く「4段ヒル」をトップで通過し、後続にアドバンテージを稼ぎたいはずが、初級セクション「1stヒル」でミスを犯し何台かにパスされ、さらに「なめこ沢」では転倒した際に足を挟まれ自力で起こせない状態に。チャンピオンを競う山本にも大きな差をつけられてしまった。「何かの歯車が狂ったんですかね…原因は自分でもよくわからないのですが、さすがにこの時は少し諦めそうになっちゃいましたね」

しかし、高橋はその後は順調に順位をあげていった。レースは規定時間の3時間を過ぎ、多くのライダーが1周できずにレースを終えている中、山本、高橋、そしてトライアルIASの藤原慎也だけが3周目に突入していた。藤原が持ち前のテクニックで一時トップにおどり出るが、終盤のセクションでリアタイヤをパンク、戦線を離脱した。

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チャンピオン争いは観客やレースを終えたライダーが多く見守る中、最後のセクション「Finish Hill」を先に登頂した方が勝ち、という熱い展開に。二人ともすでに体力は限界を迎え、何度も失敗を繰り返した。そんな中、中腹でスタックしてしまった山本を、レースを終えたライダーが引き上げる奇策に出た。ルールでは「ライダー同士の助け合いは認めるが、観客によるヘルプは認められない」とあり、現場のマーシャルも判断に迷いが生じた。

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先に山本が他のライダーと共にマシンを押し上げチェッカーを受け、それに少し遅れて高橋がスタックしつつも自力で登頂。二人はその場でお互いの検討を讃えあい、握手を交わした。

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結果として軍配は高橋に上がった。HINO HARD ENDURO主催の栗田氏は「レースを終えたライダーは観客と同様に扱います。また、HINO HARD ENDUROの規則では勝敗に著しく大きく影響するようなヘルプは禁止と記載されています。私の監督不行き届きで現場を混乱させてしまい、申し訳ございませんでした」と山本に頭を下げたのだった。こうして、高橋はG-NET全日本ハードエンデューロ選手権5連覇を達成した。

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また、トップ3に次いで4位に入ったのは熊本悠太だった。熊本は1周目中盤の難所「さよならキャンバー」を2番手で通過すると好ペースを維持していたが、2周目のヒルクライム「ベータマウンテン」で大苦戦を強いられてしまう。何度もリトライを繰り返し、時間と体力を削られ、2周目を周回した時点で2時間50分を過ぎており、そこでレースを終えた。

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しかし、最後の難関「Finish Hill」を「しっかりとバイクに乗ったままキレイに登頂したのは熊本だけだった」とはレース時間中ずっと「Finish Hill」に張り付いていたマーシャルの談。今年はマシントラブルに泣かされ、惜しくもチャンピオン争いに絡むことはできなかったが、ゼッケン#2の実力をしっかり示し、4位入賞。今年のランキングも4位でシーズンを終えた。

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また、今年はスポット参戦でレースを盛り上げてくれている和泉拓は高橋と同じくGEKKOTA開発ライダー。第1戦のCGC斑尾以来のG-NET参戦となったが、1時間30分できっちり一周。2周目のダートフリークヒルで時間切れとなり、8位となった。

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また、高橋に教えを受けて成長中の泉谷之則は1周目前半で苦戦して順位を落とすも徐々に挽回。2周目最後の「Finish Hill」までたどり着くも、チャレンジする前にタイムアップとなり、9位。年間ランキングは今年と同じ6位をキープする形に。

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杜中豪は自らが開発に関わるムースと、VE-33s GEKKOTAを組み合わせて使用し、土曜日のミドルクラスでは賞典外ながら唯一5周を回った。しかし、本番のG-NETクラスでは終盤までコマを進めるも惜しくも周回できずにタイムアップ。林利庭はベータマウンテンでクラッチトラブルで戦線を離脱、田红旗は中盤の丸太セクションでタイムアップという成績だった。

高橋博
チームベータIRCエンジョイズ
BETA RR2T300
前:iX-07s(空気圧0.6kgf/㎠)
後:VE-33s GEKKOTA(空気圧0.22kgf/㎠)
「G-NET戦としてはやはりこのくらいの難易度がないと、と思いますね。一応3周できているので、過去一番難しいというレベルではないのだと思いますが、いいコースでしたね。これぞG-NETだと思います。タイヤもよくなってるし、みんな上手くなっているので、だんだん難しくなっていますね。1周目のなめこ沢でもうちょっとグリップが欲しかったので、少しリアを落として0.20kgf/㎠くらいになっていると思います。タイヤの空気圧をすごくシビアにテストしてきたのと、サスペンションのセッティングをしっかり出してきました。今日のコースはフカフカのヒルクライムが多かったのですが、VE-33s GEKKOTAはそういうシチュエーションに強いので、苦労はしなかったです。
今回は序盤で大きく順位を落としてしまったので、追い上げるのは辛かったです。また、今年はこれまでで一番苦しいシーズンになりました。でもこれで5連覇を達成できたので、今後は若手の発掘と育成に少し活動をシフトしつつ、レースでも派手な走りで観客を楽しませて行ければいいな、と思っています」

熊本悠太
Team BETA バイカーズベア
BETA X-TRAINER300
前:iX-07s(空気圧0.6kgf/㎠)
後:VE-33s GEKKOTA(空気圧0.25kgf/㎠)
「マシンもタイヤも絶好調でしたが、体調管理ですかね。1周目のトンネル沢で足が攣っちゃって、水分を摂りすぎたらちょっと気持ち悪くなってしまって、だんだん調子が出てきたと思ったら2周目のベータマウンテンでどハマりしてしまいました。あれが敗因ですね。レースのレベルがどんどん上がっていて、難しかったです。
タイヤは今までで一番よかったです。こんなに空気圧を下げたのは初めてだったのですが、ガレた沢とかでも安定して走れますし、フロントのグリップもすごくよかったです。実は今回ガレ対策でiX-09w GEKKOTAと悩んだのですが、ヒルクライムで地面をキックしてくれるVE-33s GEKKOTAの特性にすごく助けられて、こっちで正解だったな、と。後半はかなり掘れてしまってヒルクライムが難しかったですが、1周目は問題なく直登できました。Moto Hillでは全開アタックで登りながらブラインドコーナーを曲がるんですが、曲がった先の石や切り株に弾かれてしまって、ちょっとヒヤッとしましたね」

和泉拓
TeamBetaIRCストレンジ
BETA X-TRAINER300
前:iX-07s(空気圧0.6kgf/㎠)
後:VE-33s GEKKOTA(空気圧0.3kgf/㎠)
「レースは2周目のダートフリークヒルを登ったところでタイムアップでした。トンネル沢のようなガレているところでは2速で片足つきながら止まらずにスルスルっと進んでいくとすごくリアタイヤがグリップしましたね。なめこ沢のような渋滞しているところはスピード出していけないので、本当のグリップ勝負になってくるんです。もっと空気圧を下げてもよかったかも知れないですね。
最近軽量化に凝っていて、今回はヘビーチューブではなくノーマルチューブにチューブサドルを入れているんです。アンダーガードやハンドガードもアルミを使わずにプラのものを使う用にしています。やっぱりバイクが軽いとバイクが転がってくれるんですね。フカフカのところが多くて、手首まで埋まってしまうくらいのところがちょっと苦労しました。来年も出られそうなところは出たいと思っています」

泉谷之則
チームベータIRCシルバラード
BETA RR2T300
前:iX-07s(空気圧0.6kgf/㎠)
後:VE-33s GEKKOTA(空気圧0.3kgf/㎠)
「会場入りが遅くなってしまったので、ほとんど下見ができないままレースに挑みました。案の定、1周目の1st Hillで前のライダーが詰まった所に突っ込んで遅れてしまったんです。それでも少しずつ順位を上げていったのですが、2周目は1周目に比べてヒルクライムがすごく掘れて難しくなっていて、特にベータマウンテンとMoto Hillが難しくて、そこでだいぶ時間を失ってしまいました。時間がギリギリだったので、そのあと頑張って攻めていたら、攻め過ぎて前転してしまったりして。最後のFinish Hillまではたどり着いたのですが、そこでタイムアップでした。今回は大きなトラブルもなかったので、今の自分の実力と受け止めて、来年はもっと体制を整えて頑張ろうと思います。
タイヤはVE-33s GEKKOTAで間違いなかったですね。ガレた沢とかではiX-09w GEKKOTAの方が良いのかも知れませんが、やはりヒルクライムやキャンバーではかなり助けられました」

杜中豪/台湾
KTM 250EXC
後:VE-33s GEKKOTA(ムース)
「VE-33s GEKKOTAはすごく使い勝手がよくて、木の根っこや石を越えるのもすごくよかったです。今回、自分が開発に関わったムースを使いました。これはガミータイヤ用に開発したものでしたので、相性もよかったと思います。G-NETのコースは正直難しかったです。終盤のキヨミズヒルまでは行くことができたのですが、そこでタイムアップでしたので、またチャレンジしたいと思います」

林利庭/台湾
BETA RR2T250
後:VE-33s GEKKOTA(TUBLISS)
「一つの会場の中でガレ場やヒルクライム、竹やぶなど変化に飛んでいるのが素晴らしいと思いました。中でも特によかったのはヒルクライムですね。帰ったらヒルクライムとバランスをとる練習をしたいです。タイヤはすごくよくてまったく不満がありませんでした。自分は体力には自身があるのですが、テクニックが不足していると感じましたので、良い課題が見つかりました」

田红旗/中国
BETA RR2T250
後:VE-33s GEKKOTA(TUBLISS)
「日本のレースは選手同士の仲がとても良いのに好感が持てました。また、ライダーの層がとても厚くて、中国に比べてレベルの高さを感じました。コースはセクションが豊富で、とても難しかったです。私は中盤の丸太アトラクションのあたりでタイムアップでしたので、また練習して出直したいと思います」

2018年11月22日

AAGP爺ヶ岳、総合4位入賞の斉木達也がチョイスしたのはやはりiX-09w GEKKOTA

posted by IRC TIRE MCJ staff at 18:01 | レースレポート
JNCC最終戦AAGP
日時:2018年11月4日
会場:長野県爺ヶ岳スキー場
天候:晴れ
コンディション:ドライ
PHOTO&TEXT:アニマルハウス

日本最大級のクロスカントリーレースシリーズJNCCが、ついに今年も最終戦を迎えた。アメリカGNCCからの招聘ライダーが参戦し、チャンピオンがかかったこの一戦は否が応でも盛り上がる。今年はさらにモトクロス界からも多数の有力ライダーが参加を表明し、大きな話題を呼んだ。

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しかしいかにモトクロスIAライダーと言えども一筋縄には行かないのが、ここ爺ヶ岳スキー場だ。特に今大会はCOMP-B以上のクラスはガレクライムのエスケープが禁止されたこともあり、坂の途中でスタックしているライダーがさらに攻略の難易度をあげていた。

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2016年、ここ爺ヶ岳スキー場で多くの観客を魅了した斉木達也は、やはり爺ヶ岳にはiX-09w GEKKOTAが一番合うと言い切る。これまではフルサイズのマシンに乗ることが多かった斉木が、今回は2st150ccの150XC-Wをチョイス。なんと慣れない小排気量マシンにも関わらず、中盤までは招聘ライダーのCraig Delongを抑え、3位を走っていた。

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後半、Delongがペースを掴み、前を譲る形になったが、斉木は今シーズン2回目の参戦で総合4位に入った。

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ドリーミンほうのきでWR450Fを故障した出口隼飛は今回、RMX250を投入。ワイルドクロスに出走したものの、その後もギリギリまで整備と修理を行うもののテスト不足の状態での決勝レースだったが、一周目を9位で通過すると徐々に順位をあげていった。

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RMX250のパワフルなエンジンは間違いなく、出口の走りに応えてくれた。「まともに走れるようにするので精一杯で、セッティングなんて全然できてません。リアサスなんて、サグが130もあるんですよ」とレース後に出口は語ったが、結果的には押し寄せた現役のモトクロスIAライダーを押しのけ、6位入賞を果たした。

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この大会を盛り上げてくれたのはモトクロスライダーだけではなかった。全日本エンデューロからも多くの有力ライダーが参戦した。現在JECランキング1位、初のチャンピオン獲得を目指す前橋孝洋もその一人。JECのライバルである鈴木健二や釘村忠に挑んだ。

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前橋は1周目クラス10位で戻ってきたが、2周目以降ラインが限定されてきたガレ場や、荒れたゲレンデの攻略に苦戦し、徐々に順位を落としてしまい、最終的にはクラス16位というリザルト。

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また、COMP-AクラスにはこちらもエンデューロIAライダーの新沼光が出場した。一周目16位で戻ってきたが、中盤から周りがタイムを落とす中でも安定したタイムを維持し、一時は10位まで順位をあげ、最終周で少し落としてしまうが、クラス14位でチェッカーを受けた。

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斉木達也
jon it & ヒオキイカチ
KTM 150XC-W
前:iX-09w GEKKOTA(ムース)
後:iX-09w GEKKOTA(ムース)
「リアは空気圧0.5kgf/㎤相当のムースを使いました。タイヤとの相性はとてもよかったです。初めての2ストロークマシンでのレースでしたが、すごく楽しかったですね。少しサスペンションが硬めのマシンなので、どうしてもタイヤに頼った走りになってしまうのですが、石がすごく多かったので、やっぱりこのiX-09w GEKKOTAで正解でした。スタートで少し出遅れてしまったのですが、わざとガレているところを選んで走って追い上げることができて、中盤くらいまでは良い展開でした。

2時間くらいでリアタイヤを見ると少しブロックが飛んでしまっていたのですが、ラインを工夫することでガレクライムやロックンロールリバーもしっかりグリップしてくれました。タイヤの山が削れても走りやすいのがGEKKOTAの大好きなところですね。フロントタイヤもiX-09w GEKKOTAは柔らかくて、根っこでも弾かれずにペースを上げて攻めて走ることができました」

出口隼飛
scoycojapan MHP
SUZUKI RMX250
前:iX-07s(ムース)
後:VE-33s GEKKOTA(ムース)
「今回は車両の準備がギリギリになってしまいました。ワイルドクロスは走ることができたのですが、その後もトラブルがあり、スタート直前まで整備していました。おかげで下見の時間も取ることができず、スタートでも最後尾になってしまったのですが、一周目から周りのライダーがどんどん転倒する中、スムーズに走ることができ、周回してみると9位でした。

マシンが古いので、観客の方もすごく応援してくれて、力になりました! レース中は熱田選手、釘村選手、横澤選手と抜きつ抜かれつ。ゲレンデで抜かれ、難所で抜き返すを繰り返していましたね。ここではタイヤのグリップの良さがアドバンテージになってくれました。マシンのテストも十分ではなかったので、最初は恐る恐るアクセルを開けていたのですが、ラスト2周で全開走行に切り替えました。タイヤの山も最後までしっかり残っていて、釘村選手をプッシュすることもでき、良いレースだったと思います」

前橋孝洋
モトクラブオープンエリア
KTM 250EXC-F
前:iX-07s(ムース)
後:VE-33s GEKKOTA(ムース)
「爺ヶ岳はガレ場が多いレースなのでリアにはVE-33s GEKKOTAを使用しました。普段はJECでFIMタイヤを使うことが多いのですが、やはりVE-33s GEKKOTAの優れているクッション性で、ガレ場を走破することが出来ました。ゲレンデや硬い路面、ウッズでもヨレてしまうことは無かったです。

反省点としては、ムースはもう少し柔らかい物が良かったかと思います。何度かクラッシュしてしまいましたが、タイヤの性能に助けられ走り切ることができました。次はJECの最終戦で、チャンピオンがかかっているので頑張ります」

新沼光
Team Beta ストレンジ IRC
BETA RR2T250
前:VE-35(ムース)
後:iX-09w GEKKOTA(ムース)
「今回はVE-33s GEKKOTAではなくiX-09w GEKKOTAをチョイスしました。コースが思ったよりもハイスピードなレイアウトだったのですが、ガレた難所ではこのやっぱりこのタイヤが良いですね。タイヤが食い過ぎて捲くれそうになったくらいで。すごくフカフカなところとかもすごくグリップしてくれました。ちょっとムースの圧が合っていなかったのか、ロックンロールリバーではちょっと手こずってしまいました。

フロントに使ったVE-35が、ガレで逃げることもなく、しっかり前に進んでくれてとても良かったです。タイヤの剛性があるので、下りとかでもブレーキに負けることなくグリップしてくれましたし、コーナリングでも逃げずにしっかり刺さってくれました。iX-07sとiX-09wのちょうど中間くらいのタイヤのイメージですね」